青春の日々
jungle2021九月もイベントご用意させていただいております。
皆でジャングルやろうよ！！
Yさんというスタッフがいる。
岩出店では液晶TVの実演を含み、DVDを再生している。
定番のトムとジェリーやジブリ、ピクサーといった人気アニメを流す事が多く、小さな子供が画面に釘付けなんてことはよくある風景である。
しかし、DVDディスク自体が商品である為に子供にせがまれた親御さんが購入することが多い。
それを繰り返していると定番アニメDVDが無くなってしまった。
アニメDVDもなくなったことだし今回は実写映画に切り替えようとクローズゼロという、喧嘩ヤンキー映画を再生した。
迫力のあるアクションシーン！血で血を洗う不良達の物語である。
その日もレジ内で事務作業をしていた。
溜まった仕事を気持ちいいリズムでキーボードを叩いていると、隣で作業をしていたYさんがシーンと佇んでいた。
作業を止め、ただただ一点を見つめていた。
Yさんの視線の先には、クローズである。
僕は聞いた「Yさん、どうかしましたか？」
Yさんは僕の声が聞こえていない様子で、ただただアクションシーンを眺めていた。
僕はハッとした。
Yさんの目に涙が少し浮かんでいた。
少し経って、僕の視線に気がついたYさんは
「あー、ごめんごめん迫力がすごいんで見てもてたわー」と鼻をこすりながら照れくさそうに言った。
「Yさんクローズ好きなんですねー」と相槌を打つと
「昔の話やけどな、俺の高校時代こんなんやったねん」
続けていった
「三度の飯より喧嘩が好きやってん、、、」
Yさんは照れくさそうに肩をすぼめていた。
しかし彼の背中はいつもより、ほんの少し大きく見えた。
